今回読んでみたのはこんな本。
著者は斎藤和樹氏こと「かずきち」で、大学を中退した後、不動産の競売や生命保険の営業を経て、独学でプログラミングを学び年収1000万を超える ITエンジニアになったという驚異の経歴の持ち主である。
さらに「ウェブカツ」というプログラミングスクールの運営もしている。Twitterでは何の配慮もない正論をよくツイートするためか、そのせいで炎上することもしばしば。
本書はそんな自身の成功例を振りかざして、人を食い物にしようという魂胆丸出しな一冊である。
今回はこの下衆な本書について記事を書いていくとする。
結局はプログラミングスクールの宣伝だった...
本書の内容を一言で説明すると、かずきち自身が運営するプログラミングスクールであるウェブカツの宣伝だった。やはりと言うべきだった。
以下、本書を要約した内容となる。
今の時代が終身雇用の崩壊した不景気だからこそ、自分の力だけで稼げるスキルを磨かなければならない
今の時代はコロナ禍で IT需要が一層高まっているのでプログラミングがオススメ。何故ならスキルさえ身に付けば、会社に縛られることなく仕事ができるし何より稼げるから
プログラミングを学ぶならプログラミングスクールが最適。大学や専門学校の方が学費も高いし期間も長いし通学時間などいろいろ無駄が多いから
プログラミングスクールはいろいろあるが、一番のオススメはかずきちが運営するウェブカツ。就職後、即戦力になれるようなカリキュラムが充実している
プログラミングを勉強し、学んだプログラミングを駆使してアプリやウェブサイトといった成果物を作り、企業にアピールするべき
プログラマーがコミュ障でも勤まる時代はまもなく終わる。コミュ力を磨いて自分から仕事を取りに行く姿勢が求められるようになった
年収1000万円を稼げるか、最終的には自分自身の努力にかかっている
ちなみに本書は300ページもある。その300ページで述べられていたことがただの宣伝だったと思うと気が重くなる。
IT業界について詳しく語られてはいたものの、所詮はネット検索で出てくる程度の情報でしかなかった。
途中で読む価値がないと判断し、残りのページ数を気にせず僕は静かに本を閉じた。
プログラマーになりたいヤツの9割が、プログラマーごっこをしたいだけ
ネット上には馬鹿の一つ覚えみたいにプログラミングを勉強する人で溢れている。
そういう人たちは別にプログラミングで何かを開発したいからプログラミングを勉強しているわけではなく、ただプログラマーごっこをしたいだけなのだ。
要はプログラマーに対して自分なりに美化したイメージ(いつでもどこでも仕事ができる、会社に縛られない等)を持っており、その美化したものになるのが目的である。
そしてさらに細かく言うと、そういう人たちは別にプログラミングが勉強したいわけではなく、ただパソコンを使う仕事をしたいだけである。その手段がたまたまネットで目に付いたプログラミングだったというだけの話。
なんとなくプログラマーになりたいだけの人が、自発的にプログラミングを学習して一つの成果物を作り、それを企業にアピールするといった芸当なんてそうそうできるはずがない。
そんな面倒なことは一切したくない。それでもプログラマーという仕事は経験してみたいという人は、面接だけで大丈夫な IT企業に就職すればいいだけの話だ(ブラックの可能性は高いだろうが…)。
もし仮にブラックでなかったとしても、プログラミング言語を選べなかったり、雑用ばかりさせられてなかなかスキルが身に付かないという可能性もある。でもまぁとりあえずプログラマーとして働けるならそんな些事で文句を言ってはいけない。