今回はこんな本を読んだ。
僕は過去に、とあるブログでこの本が紹介されているのを見たことがある。手に取って読んでみたいという気持ちはあったものの、ずっと手付かずだった。
本の感想についてだが、あまりにも内容が薄っぺらかった。
「嫌な仕事からは逃げろ!」
「嫌な人間関係からは逃げろ!」
「嫌な自分からは逃げろ!」
「とにかく、嫌なことからは逃げろ!!!」
としか書いていなかった。おまけに肝心の逃げ方についてはほとんど触れられていない。
逃げようと思っても簡単に逃げられない状況というのは往々にしてある。
例えば学校でのいじめだったり、毒親家庭だったり、ブラック企業だったり、警察に逮捕されてしまったり...etc
本書は「〇〇からは逃げろ」の一点張りだったので、参考になるところがまるでなかった。
ドラクエにも「逃げる」コマンドがあるが、たまに失敗することもあるし、ボス戦だとまず逃げられない。
本書、逃げろばかり言うだけで何もしてくれない...
「逃げ」は生存戦略の一つでしかない
勘違いしている人が多いが、「逃げ」はあくまで生存戦略の一つに過ぎない。
詳細については割愛させていただくが、著者である井口晃氏は「逃げ」のおかげで底辺から這い上がり、見事成功を掴めたそうだ。とにかく嫌なことからひたすら逃げては次の場所を探すを繰り返してきたらしい。
しかし逃げたからと言って、決して著者みたいな成功を約束してくれるわけではない。
むしろ逃げる前よりも状況が悪化してしまうリスクもある。著者みたいな事例は一般化すべきではない。
「え、嫌なことから逃げたら筆者みたいな成功者になれるの!?じゃあオレも会社辞めたろwww」
と考え出すバカが後を絶たないからだ。
こういうケースの場合、成功どころか大失敗を掴まされて終わりを迎える。
闇雲に「逃げ」を選択すればいいわけではなく、むしろ嫌なことでも我慢しなければいけない状況の方が多い。
嫌なことをしないためのお墨付きにしてはいけない
本書を、とりあえず嫌なことをしないためのお墨付きにしてはいけない。
目標を達成するにはどうしても嫌なことを避けては通れない。例えば、
車の免許が欲しいけど車は運転したくない。だから運転することから逃げてもいい✨
などと考えるようになってはいけない。
まとめ
内容が何もないよ〜!!
の一言に尽きる。
世の中には自分と他人を区別できない人があまりにも多い。
特に著者なんか、自分が逃げまくって成功したから他人にも「逃げ」を勧めている。しかし容易に「逃げ」に走ると、孤立の一途を辿る。
よくインフルエンサーは
「〇〇とは縁を切れ!逃げろ!」
と言ってくるが、それこそがインフルエンサーの狙いである。
孤立した人をすぐさま自分のセミナーに勧誘し搾取するのが目的なので、何も考えず孤立するような行動を取るのは絶対にやめた方がいい。
僕も散々逃げてきたので「逃げ」を全面的に否定するつもりはないが、逆に全面的に肯定するつもりもない。
「逃げ」とは生存戦略の一つに過ぎず、それ以外の何ものでもない。